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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
乗降の人無きままのバスの客われは座敷に座すごとくせる
欺さるはどちらといふにあらざればけふもしらしら雪の散るらむ
あの赤いプラダの財布よかったな買おうかな働いて働いて
雪さえも埃を芯に生まるるをよろめくように不信に向かう
自転車が自転車を抜く遠景の橋 そこに感情はあったやろうか
はるのゆき 蛇腹のカメラ構えてるけど撮る方が笑っちゃだめさ
街のここかしこにカノン湧き上がり落ち葉は落ち葉を掃く人に降る
必要なものから順に壊れてく日々はこうして首に手を置き
いはれなく街の向うまで見えて来る さよならといふ語をいふときに
いい歌をつくろうとしていい歌はできないけれど生きやすくなる 逆もまたそう
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