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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
星座を結ぶ線みたいだよ 弟の名前を呼んで白髪を抜けり
べつべつに絵を視ることになれてゆく河口のやうな午後のうすら陽
しろくま科プランクトンが溺れててシャンパンに浮く彼らの気泡
鉛筆のごとく心はとがりゆき朝の道路がまっすぐになる
捨てられた都ばかりが大きくて今は胎児に帰るうみへび
紅い薔薇が一本風に飛ばされて陽のなかのフイッツジェラルドの墓
姉さんは今宵帰らず硝子窓力なく鳴る 冬が来ていた
お父さん大嫌いって子に言われしばらく蜜柑がむけなかった
ゆふまぐれ、とふ語の確實性のことなど思ひつつ江ノ電を待つ
みずうみの岸にボートが置かれあり匙のごとくに雪を掬いて
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