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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
むきだしのそんざいならぬもののなき炎昼をつりがねの撞かるる
門かど柳やなぎあかるく透すきて広池ひろいけの向うをとほる滊車きしゃあらは見みゆ
ふるとしの雪やいづくとあざかへしこのとしこの日趾とふなゆめ
明けきらぬサントス港に船出待つニュークロップが青く匂へり
「悪の華」と「実践理性批判」とがせせら笑へり肩をならべて
ベビー服のうえを模様が通りすぎ赤ちゃんはみな電球のよう
わが心深き底あり喜よろこびも憂うれひの波もとどかじと思ふ
きまかせに七羽はうごく刻々と水のおもての景かへながら
偶然の中に転がる永遠を いっしょにみつけてくれたのはきみ
跳ねてゐる金魚がしだいに汚れゆく大地震おほなゐの朝くりかへしみる
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