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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
熊本吉雄/なんだかね自分もガレキになっちまった ガレキはガレキを片付けられない
京表楷/氷詰めの指と指無し患者来て七時間かけ指もとに接ぐ
中山くに子/二階よりヘリに拾われ雪の夜の避難飛行すあれから三年
吉川宏志/桜まだ咲かざる闇に立ちながらアナクレオンの如き死を聞く
山内亮/避難所のラジオ体操第一は顔に両腕をこするよう廻す
佐々木実之/使ひきらざるティッシュを受け取り来し我にかなしみのごとくティッシュは溜まる
庄司邦生/濁流に胸まで浸かり年金証書頭に載せてひたすら逃げる
紺野裕子/たれかれの消息にはなし及ぶとき放射線量つもるふくしま
金野友治/田も畑も見渡す限り沼となり遺体浮く見ゆ三月十二日
井上雅史/七年を経た仙台の地下鉄の通勤客にスニーカー多し
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