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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
墓石にかけようと買つてきた水の、ペットボトルに口つけて飲む
ひと跨ぎできるつもりがやや高くいちど腰掛けてから急いだ
裏をかきに・いけない炎のまけない声のいけない炎の六花書林の
にしんそばと思った幟はうどん・そば 失われたにしんそばを求めて
駅で見た猫の写真がこの町のすべての猫の始祖だと思う
もみぢいよいよ燃えて一切まにあはぬ我のひと日を笑ふうつくし
梟(ふくろう)に禁じられているごとし女同士でテニスすること
おーい列曲がつてゐる、と言ひかけて 眼閉ぢれば春の日はさす
さらさらさらさらさらさらさらさらさらさら牛が粉ミルクになってゆく
シラバスの重さなつかし学生が春のベンチで履修に悩む
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