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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
地に近く黄の色を曳く蝶々よおまえがたてるものおとあらず
うれしいの わたしもうれしいゆふやけが夏の水面をまたたかせると
水は青く、ないと言ひ掛けザラザラのプールサイドに膝抱へゐき
屋外は現在、屋内は未来、中庭は過去、につながりて夜の秋
みづからの空虚にながくくるしみし年月を仮に青春と呼ぶ
耳よりも大きいキティのストラップ揺れて少女は突然泣いた
昼食(ひる)ひとり済ませぬとほき球場の高校生を画面に見つつ
ふだん喋る機会のない人からペンを借りおめでとうと書いて返した
庭の花グラスに挿してながめをり昼寝のあとは散歩に出でむ
みぞれ みぞれ みずから鳥を吐く夜にひとときの祭りがおとずれる
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