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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
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一首鑑賞
父の忌の読経終はれば故里の訛りとなりて僧のくつろぐ
救われることもすくうこともなく葡萄畑の上の三日月
故郷のたべものばかりを恋うている正しくお腹を空かせた後は
〈めぼ賣ります〉と貼られし紙の邑過ぎて眩暈のごと國原ありき
メールにも筆跡がある祖母からのメールはまるで柿の絵てがみ
一両で走る電車を風と呼ぶそう決めたひとりの多数決
携帯電話ぱきんとたたみそのやうに心をたたむ秋の街角
詩はすべて「さみしい」という4文字のバリエーションに過ぎない、けれど
たつぷりと遊びつくしたあとに来る小筆のやうなさびしさがある
十月の跳び箱すがし走り来て少年少女ぱつと脚ひらく
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