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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
あまたなる手のひらの熱まだあらんあん馬へしろく月の差すころ
襟足のきれいな風が吹き過ぎる今日の私はなにがさびしい
眼閉じればルクセンブルク雪しまく空港のタラップ共に降りし夜
SOMETIME AGO 海辺 あなたの菫色の日傘が揺れていしが 戻らず
彼らは夏を逝きたり若き日の写真の顔をこの世に遺し
ゆっくりでいいからいわし、さば、ひつじ、迷わず秋の空へおかえり
夏青葉しげる木下をゆくときに傘打つあめの音とほざかる
ああ、博士 まるでひとりの島みたいどこまでも心が浜になる
紅葉葉の過ぎにし友よ 酒飲んで君の時間を仲間となぞる
束ねればきれいに見える花が好き 木枯らし一号吹く街をゆく
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