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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
放心してわが
佇
た
ちつくす冬野
路
じ
に目的不明の杭一つたてり
碧玉
へきぎよく
のキーウィ食めば死は不意にわが子と氣づく生まざりし
吾子
あこ
松山駅降りて一丁北へ歩き煙草屋より三軒目が僕の家です
鼻すこし変形するまで原発の事故後をながくかけてたマスク
夜泣きする妹の子を覗き込むおおきい蜘蛛かもしれない私
ひそやかに汚染水流れ込む海を照らしつつ月は渡りゆくなり
いまベイブをえらんで借りてゆく人の凜々しかったな 真似して歩く
もう逢えぬ人あまたある三月に小鳥来てふいー、ふいー、と啼くも
湯に浸かるように地面に胴体をあずけて留まる鳩 早朝
口の端の薄きしょっぱさ朝焼けよこりゃあなんだよ誰が泣いてる
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