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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
吉田 隼人
烏羽玉の音盤ディスクめぐれりひと無きのちわれも大鴉を飼へるひとりか
みじかうた寝せて立たせてお人形遊びのごとき日々もありけり
だしぬけになんとはなしに藤色の服が着たくてユニクロに来る
欺さるはどちらといふにあらざればけふもしらしら雪の散るらむ
雪さえも埃を芯に生まるるをよろめくように不信に向かう
はるのゆき 蛇腹のカメラ構えてるけど撮る方が笑っちゃだめさ
必要なものから順に壊れてく日々はこうして首に手を置き
いい歌をつくろうとしていい歌はできないけれど生きやすくなる 逆もまたそう
テレビ、つけると いまは怖くて いま庭に鴉が降りた黒光りする
滅んでもいい動物に丸つけて投函すれば地震 今夜も
海に花手向けるときのくらさにて少女は抱いた子猫を放す
雪月花いち時に見つ しろたへに死者には死者の未来ありけり
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