2010年01月のアーカイブ

フルーツゼリーすくひつつ見ゆ大山勤ダンススクールに動きゐる影

こうやって母もぼんやり眺めてたやかんの湯気が激しく沸つを

アイスクリーム君が食べしと死の四日前に記せり読むたびに泣く

厚らなる手の感觸はあくしゆせる時以後夜のいねぎはまでも

何か含める友の饒舌と思へればはためくカーテンを括(くく)らむと立つ

モルワイデ図法の地図にゆがみゆく極東といふさびしさのきはみ

少し遅れてきた人の汗ひくまでのちんちろりんな時間が好きよ

雪の夜は雪のむかうにもうひとつ街あり馬に乗る人がゆく

知る誰もなかりしあの頃あの気負い今日はだれもがKaz(カズ)とのみ呼ぶ

母語圏外言語状態(エクソフォニー) この美しき響きには強風に立つ銀河が見える

わが友の樣といふ字をみれば人はいたくさまざまにこの字を書きつ

夜の梢ふかぶかとせる地上にて少年が少年とボール投げあう

いっさいが余白となりて 雪の朝なにほどもなきわたしが居たり

妹の門鎖(さ)されゐて仕方なし土産の乾燥芋を投げ込む

薄闇のあなたの底へ降りてゆくわれは言葉の梯子をかけて

蔑(なみ)されて美(は)しき東洋黒馬の踏みたつごときSUSHI・BARの椅子

友の家の厠へゆくと下駄穿きぬみやこべ遠くわれは来てあり

上官でありし男の死を聞いて一人笑いをしている父は

活けるまま糠揉み込みてぬめりとるあな耐へられず蛸の目を抓(つ)む

大いなる火皿となりて阿蘇ありし誰の死後ともなかりし劫初

きんにやもんにやきんにやもんにやと踊りゆくしだいにきんにやもんにやにわれもなるなり

バス停に忘れしカバン取りに行けばわれを忘れて静けきカバン

新しきとしのひかりの檻に射し象や駱駝はなにおもふらむ

かさはさか きゆはあはゆき くさはさく 循環バスは渋滞の中

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