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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
澤村 斉美
小雨降る夜の渚に傘捨てて走れるわれの ふるさとここは
ジュズダマの穂をひきぬけばひとすじの風で河原と空がつながる
途方もなく高き暗黒より落ちて来る雨水がただにデモを濡らしぬ
飛鳥仏に会いたるのちは貌という果実のひかり夕べの奥に
つばくろが空に搬べる泥の量(かさ)ほどのたのしみ君は持つらし
梅雨くればふかきみどりに揺れやまぬ肌のひかりがこの国のひかり
月光の溜る机上に脚すこし開きてコンパス泳ぎはじめる
オレンジの切り口あかるき朝の卓遠くで鹿が角を切られる
くちなはの水を切りゆくすばやさをちらと見しより心やぶれぬ
溜められし雨水に残る死のにおい凡庸のわが庭に撒かるる
戸棚よりコーヒーカップ取り出しぬそつと世界のどこかに置かむと
微生物ひきつれ弥陀はたたなづく青垣を越ゆしたしたと越ゆ
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