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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
魚村 晋太郎
落ち葉して秋の木は立つ 革(あらた)むることに苦しむ人界のそと
風呂の湯は素数に設定されていて私は1℃上げてから出る
月光の素足に触れてきみは地に繭は樹上に浮かべりわづか
時間がない ように咲きいる曼珠沙華母の庭には母しかおらず
人恋うてつつましすぎる若さなど杳(とほ)く眠らせ秋の水くむ
金木犀 母こそとはの娼婦なるその脚まひるたらひに浸し
房に入り我れの虜のこおろぎよ澄みたる音色さむざむとして
体臭のなき男かなと思いしが夢にはかなくよみがえりたり
男根はさびしき魚と思ふとき障子に白き夜半の月かげ
越えなくていい壁もあり沿ひながら行けばかすかに木犀匂ふ
アボカドの種子に立てる刃 待つといふ時間はひとを透き通らせる
吾の生を矛盾だらけとあげつらひ秋刀魚食ひたり二匹食ひたり
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