コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
中津 昌子
「青ですね」「青ですね。でもわたしたち歩行者ではありま「赤ですね」
「一つづつ」と決められて書く志望書の長所と短所縦長の文字
父母はなく君なく子なくひとりなる実感もなし春ふかきかな
いのちひとつただありがたく保たむにその他無用といふにもあらず
我が腕に溺れるようにもがきおり寝かすとは子を沈めることか
怒(いか)る時/かならずひとつ鉢を割り/九百九十九(くひやくくじふく)割りて死なまし
埃吹くモスクに立てば屈葬の形に人ら礼拝をなす
薄日さす午後の階段しおからい耳たぶを持つあなたとのぼる
枕辺の目覚時計に重なれる手と手に今日が始まらんとす
提案に補足がありてみづみづしかる截り口は見えなくなりつ
霧のごときあはき思ひが湧きやまぬ良いのだらうか思慕と呼んでも
人と見し夜の桜に仄かなる色ありしことまた夢に顕つ
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
9
固定ページ
10
固定ページ
11
…
固定ページ
13
次のページ