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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
吉田 隼人
仰ぎ見て我が天才を疑わず天地ひれ伏せ十六の夏
一九四九年夏世界の黄昏れに一ぴきの白い山羊がゆれている
ひたぶるに夜半のくらきに白蛾とぶその重き夜に堪へてゐたりき
冥くららかに思想の鞍部見さけつつけふをいのちと旅果ててゆけ
人も馬も道ゆきつかれ死ににけり。旅寝かさなるほどのかそけさ
夕顔乾酪チーズ色にくさりて惨劇のわが家明くるなり*おはやう刑事!
かけがへなき変身して森に樹をみがけ 風よりも風のやうに否定の像あり
陸奥みちのくのなほ奥ありて雪氷鎖とざせるなかに火立ほだついのちは
松影を浴みつゝゆくは哀しかり跳びかがよへる斑猫みちをしへかも
青鷺、とあなたが指してくれた日の川のひかりを覚えていたい
くらがりになほ闇やみと呼ぶぬばたまの生きものが居て芝の上へうごく
藻のなかに潜ひそむゐもりの赤き腹はつか見そめてうつつともなし
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