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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
井上 法子
沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ
パンシェへの流れを見せる先生の胸の廃墟にうつる夕空
ふうようのささめきもたえ こんじょうのはてなきなぎになみだつなみだ
祈りつつ切手を貼るよ 性と心が癒着するしかない身を生きて
きつと誰かほどいてくれる使はずになくした傘の透明な襞
椿落ちて土に吸はれし音ひとつ晝寢の蝶の羽動くなり
自販機のボタンを押すとき、お母さん、ステルス戦闘機を感じたい
茜さす素数に還りゆくのだと降りしきる雪の中で見送る
形容詞過去教へむとルーシーに「さびしかつた」と二度言はせたり
声のして顔を上げたるときに見つ柘榴の一顆裂けて光るを
「ヤギ ばか」で検索すると崖にいるヤギの画像がたくさん出てくる
キッチンへ近づかないで うつくしいものの怖さはもう教へたよ
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