コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
土井礼一郎
昼間にはなかったかのよう夜の駅からドクダミの白見えすぎている
死ではない終はりを待つてゐるひとがありの実を剝く皮をたらして
ほの白き卵を守りつつ女王蟻も身をよじるかな あくびのために
桜散る川沿いにひと群れながら私たちみな川の見る夢
口角を上げて笑へと書かれゐる接客マニュアルのさびしき笑ひ
夢の中ではジャズピアニストのものだった指で洗濯物をあつめる
採血車春の車道に横向きに驟雨のなかのわれをいざなふ
白き紙いちまいの
上
へ
の花の種子げにひえびえと古代文字ならむ
だんらんのはてに沈黙のあるごとく 夜を森閑と咲きつぐ櫻
雨期の地に呪詛の掌のごと揺れてゐる羊歯ありくらく永き平和よ
ガザ地区と足立区響き似ていると
吾子
あこ
が言いけり空爆怖い
あまたある神の御腕の一本に君がいて林檎を我が唇におく
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
…
固定ページ
5
次のページ