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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年4月
カバに手を掛けてるヒトが穴だった顔はめパネルやればよかった
妻の傘にわが傘ふれて干されゐる春の夜をひとりひとりのねむり
階段の底までくだり昼くらきコーヒー店に来てまづ眠る
金箔のきらめきこぼし角を曲がる霊柩車なし冬至のまちに
足裏より夏来て床に滴りしすいかの匂いまばゆい午後だ
宇宙から見れば今死ぬ吾の手が今死ぬ母の手を握りをり
峠から無限にひろがる星空に吸えないタバコをすわされそうで
母死なすことを決めたるわがあたま気づけば母が撫でてゐるなり
コーヒーの湯気を狼煙に星びとの西荻窪は荻窪の西
春の船、それからひかり溜め込んでゆっくり出航する夏の船
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