コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
梶原 さい子
〈通草の実知っているひと〉と我が問えば十七人の全校生みな挙手をする
「ピラカンサ」をどうしても聞き取れぬ父に激しく言う「ピラカンサ」
長雨の明けてとんぼの高く飛ぶいのち余さず秋空をゆけ
変はり得ぬわれを率ゐて十月と九月をつなぐ真夜を渡りつ
つぎつぎに「おじやましました」と言ふ声の聞こえて息子もゐなくなりたり
ひと一人ひと生に使ふ水の
量
かさ
せきれいは小さく水を飲みそむ
敗戦処理投手のやうに引き継いでデスクのうへの灯をともしをり
野仏に捧げられたる小菊あり祈りとはただ
匿名
アノニマス
にて
老いたるは化けやすしとぞ
艹
くさかんむり
かぶれば花よ 私は生きる
遠き日の水平、リーベ、ぼくの船、沈めて青し秋の内海
家族みな子どもにかへり秋の日を子どもどうしで遊んでみたし
女(一六歳)金色の / 女(二四歳)木の実ころがる / 女(三二歳)山のうらへ / 女(四〇歳)あなたはとうに / 女(九六歳)行ってしまった
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
3
固定ページ
4
固定ページ
5
…
固定ページ
13
次のページ