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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
永井 祐
伏せてあるコップをひっくり返したら内側の暗さが浮き上がる
夜空とか映画館とか指先が見えなくなると会いたく思う
生れたるばかりにて危険を知らぬ蠅われのめぐりにしばらく飛びつ
ほんとうに夜だ 何度も振り返りながら走っている女の子
風あれば動き日てれば光る草しやがめる吾に短かなる時
トイレットペーパーの上の金属のやさしい
歪
ゆが
み 熱帯夜だね
踵だけ靴から浮かし あのひととあのひとあわせてみたいと思う
たはやすく人等たたかひを
誘
いざな
ひてその時にわれはすすみ死ぬべし
わが
室
へや
の机に肘つきてをりしとき
潮
うしほ
のごとく来にし夜かも
空晴れて近づく夜は見えざるに甲虫の飛ぶいたくさみしく
電柱と塀の間をくぐりぬけパワーを出そう次のそれまで
滝までの獣の道を走り抜けあの子は歌手になるのでしょうね
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