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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
岩尾 淳子
いつになく張り切っているポケットに今日は切符を任せてやるか
忽然と秘密は解けるトイレットペーパーの芯あらわるる朝
寝息だけがこの部屋の風 きみの気球はオクサス河を越えたところか
ワンピースが風に吹き飛ばされないための棒として駅のホームに立てり
空ネア無ンとぞ名乗る戀びと宵宵にダイヤモンドを砕くかなしも
いちじんのわたしは春の風である環状線の森ノ宮駅
世間よのなかは霰よなう 笹の葉の上への さらさらさつと降るよなう
ルリカケス、ルリカケスつてつぶやいた すこし気持ちがあかるくなつた
大らかに夏雲はしる野の森の泉に足を洗ひてゆきぬ
流れないのなら僕はもう帰るよカシオペアを空に残して
梅の花零ふりおほふ雪をつつみ持ち君に見せむと取れば消けにつつ
わたしにもやさしい背中があったよね ランプのような猫の背をみる
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