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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
山下 翔
ヒトわれの辛き残暑に力得るゴーヤなるべし次々みのる
生きむとする気力の違ひ木にありて雑木林のみどり、きみどり
降りては来ない あふれるのよ 遠いはかないまなざしからきっとここへ
眠らない子を叱るときにわれの言うちゃんと寝なさいのちゃんとって何だ
空芯菜のみづみづしきを鉄鍋にざざざつと炒め哀しく啖らふも
カウンターに呑みつつ並びゐし人ら ゆふぐれはみな話があつて
朝方はまだ飛び方が変という程度だったが昼には逝った
シガー・バーに湧きいづるときいまさらに一青窈『喝采』はわれを酔はしむ
黒き蝶ふと入りきてひらひらとひとの間を縫ひて去りたり
昨日の雪わが家裏に吹きだまりあはれゆふべは薄明りせる
立っているうちに霧が過ぎしらさぎが過ぎてただ変わり果てたマフラー
石仏にされたる貌の欠けてきてまた野の石に還りゆきたり
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