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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
吉田 隼人
さざなみの下はあかるき死の広場白き脊椎を曳きたる頭蓋
おうどんに舌を焼かれて復讐のうどん博士は海原をゆく
いななきて馬はめざめぬみすずかる信濃高原しなのたかはら雪真白なり
「東京に生まれることも才能」と言いし人ありわれもしかおもう
はかなしな夢にゆめみしかげろふのそれもたえぬる中の契は
新月はまだ宵ながら没いらむとす星のひかりの空にさやけき
問十二、夜空の青を微分せよ。街の明りは無視してもよい
雪の辻ふけてぼうぼうともりくる老婆とわれといれかはるなり
魂のふるさとの海妖あやかしのよそへる色の月明りかな
銀の燭かすかに吊し目覚めては寝いねては青き花食べにけり
機関庫の春のさびしさ鳩さへも白き翅はね染むその炭塵に
刺青は沖に菫の色もてりはてしなく海にそそぐ雪片
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