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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
光森 裕樹
水薬の表面張力ゆれやまず空に電線鳴る十一月
灰色の空見上げればゆらゆらと死んだ眼に似た十二月の雪
舞い上がるぺらぺらな紙このままで十三月の空に死にたし
あおあおと一月の空澄めるとき幻の凧なか空に浮く
約束をつんと破ってみたくなる二月の空にもりあがる月
しみじみと三月の空ははれあがりもしもし山崎方代ですが
捨て猫の瞳の底に銀の砂 四月の雨はふいに降りやむ
五月の樹をゆるがせて風来たるのち芯までわれを濡らす雨あれ
小道さへ名前をもてるこの国で昨日も今日も我は呼ばれず
民族が違ふと言はれ黙したり沖縄(うちなー)びとにまじりて座せば
パチンコをしつつ嬉しもニイチヤンと隣の台の男に呼ばれ
茸(きのこ)たちの月見の宴に招かれぬほのかに毒を持つものとして
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