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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
松村 由利子
ペルセウス流星群にのってくるあれは八月の精霊(しょうりょう)たちです
真夏、還つて来たのは小さな石だつた。小石のままの母のおとうと
二十九歳父の軍服は夏のまま七十回目の八月迎ふ
大空のホールにみえざる群衆の椅子をひく音夏の雷鳴
夏帽子振るこどもらよ遺影なる伯父とことはに戦闘帽かぶる
蝉時雨見えざる壁を作りてはその内側に鳴き注ぎたり
ミスをして上司にひどく叱られた今夜男に会つたらだめだ
教科書は絶対と思つてゐた夏のしづかな教師の頸太かりき
いまだ掬はぬプリンのやうにやはらかくかたまりてゐるよ夏の休暇日
ふる雨にこころ打たるるよろこびを知らぬみずうみ皮膚をもたねば
2040年の夏休みぼくらは懐かしいグーグルで祝祭を呼びだした
少女期はポーシャに今はシャイロックに肩入れしつつシェイクスピア観る
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