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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
さいかち 真
一人の子を呼ぶとてけさも五人のみなの名を呼び子にはやされぬ
一つ二つ小石にまじる青蜆萌えいづる春の色にもあるかな
遂ぐる日をしらねはろけき祈りもて久遠におのれを繋ぐといはむ
男系の孔子三世の墓ありて墓なき女は空にかがやく
売るほどに霞みゆきたり縁日を少し離れて立つ螢売り
鈴を産むひばりが逃げたとねえさんが云ふでもこれでいいよねと云ふ
ほほゑみを示す顔文字とどきゐつ鼻のあたりで改行されて
漠さんの春の笑顔をおぼえておくそうぼくたちは思うここにて
とどろきて風吹きゆする硝子戸に紅はきよし沈丁花のつぼみ
虎猫やけだし荒もの前掻きて後背高むる眼のすゑどころ
海ふかく沈める艦がかぎりなき潮のながれに音ひびくとぞ
思惟像のあてどなき掌のかなしみよ春を含みて雨流れたり
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