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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
江戸 雪
ジュリアナ様と阿佐緒を称え綺の側に付きし石原純の不惑や
重ねればやわらかい指ぼくたちは時代錯誤の愛を着ている
そこがあなたの岬でもあるというように光翳ろうなかの頬杖
父ならぬ夫ならぬよはひの人と見る散らんとしていまだ散らざるさくら
清らかにカンガルーポケットに指かけてああ服の下には体があるね
ゆきたりと知りて極まるさびしさのなか揃へある赤きはきもの
ルーベンスの薔薇色の雲わが手には君の重たき上着が眠る
この夜更(よふけ)さくらさくらを歌ひなばいかなる腕にわれ抱(いだ)かれむ
春の海。誰も見てないテレビから切れ切れに笑い声は響けり
指切りのゆび切れぬまま花ぐもる空に燃えつづける飛行船
子を守ることよりほかは道楽と思ひいたれば心安らぐ
〈あげた愛〉〈ほしい愛〉とのバランスを計りかねてるセーの法則
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