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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
内山晶太
一月のままの部屋にも雷は来て硝子戸はしろく瞬く
今しばし麦うごかしてゐる風を追憶を吹く風とおもひし
昏れ方の電車より見き橋脚にうちあたり海へ帰りゆく水
どんぐりが通貨単位の商店に息子から買う虫の死骸を
心にもないことばかり言いたくて何も言えなくて夏みかん
バス停は根こそぎ暮れて蟬声のなかへなかへと溶けてゆきたり
遊園地のテラスにとんぼ現れて回転木馬のほうへと抜ける
解剖台にうつさむとして胸のうへの銀の十字架の鎖をはづす
後輩が残機に見えている夜の埃のうすく積もるモニター
復旧の列車に大漁旗振れり過疎三陸の海べの人ら
失った言葉の分だけその色も母から消えるはつゆき、けいとう
洗う手のひとさしゆびが母に似てもっと巻き戻せばだれのゆび
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