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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
生沼 義朗
安井高志/子供たちみんなが大きなチョコレートケーキにされるサトゥルヌス菓子店
山内頌子/猫トイレのシートがにおう もう替える必要のないシートもにおう
御供平佶/線路ゆく人のつらなりガラスなき前窓に見て警笛鳴らす
曽川文昭/夕空を旅客機一機離り行き工学はいま文学を呼ぶ
北川草子/安売りの洋書がパラフィン紙の下で花束みたいな音をたてる
仙波龍英/夕照はしづかに展くこの谷のPARCO三基を墓碑となすまで
藤原龍一郎/散華とはついにかえらぬあの春の岡田有希子のことなのだろう
木俣修/行春(ゆくはる)をかなしみあへず若きらは黒き帽子を空に投げあぐ
馬淵のり子/看護師の手の甲のメモ三桁の数字見ながら血を採られおり
加島清子/巡回のどの病室も月の見ゆ今宵はカーテン閉めずにおかむ
松岡秀明/罫線も活字も美しき赤なるは麻薬を処方するための紙
月丘ナイル/明日の朝飲むはずだった薬たち投薬トレイで雪解けを待つ
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