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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年8月
野菜たち官能的な蕊匂わせ生殖している夏の菜園
廃村につづく坂道グーグルにおおかた消えしにっぽんの道
英霊の生きてかへるがありといふ子の骨壺よ振れば音する
吹きあげてこもれる風にしばしばを大樹のごとくふくらむが見ゆ
玉砕の父の短き人生に恩給というつぐないきたる
十代の自分を恋えりローリング・ストーンズ聞いて幸せだった
筒型のMRIに万歳のかたちにありて想ふ回天
まひまひは負ふ家さへも涼しげに海鳴りきこゆる石塀をゆく
兵隊サンの妻でも母でもない幸福を時々忘れてしまふ さくらよ
蛇臭き雨空なれど君は言はず蒸暑く光る泥道急ぐ
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