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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
久我 田鶴子
ミドリ安全帯電防止防寒着「男の冬に!」の袋を破る
一つづつ言葉喪ひゆく日々の高きにありて向日葵三輪
ここもまた沖縄北部保護の手は政治の手にて折らるるごとく
虹の余光身に浴びながら雫するタワービル群 夏の林よ
家事をせぬ安穏の岸辺あるきつつ吹っ切れた母の妙な明るさ
たうとつにわれは来たりて座りゐる天神中央公園の石椅子
後頭部をつめたい窓にあずければ電車の音が電車をはこぶ
とりあえずのぼるしかなし地下鉄の駅を出でては雨にし打たる
古びたるジャングル・ジムの胎内を震はすやうに秋風はふく
お客さん旨さうに酒を飲むねえと〆鯖の上で褒められてをり
夜の道吾子と歩けば月光に打ち粉をされて光る猫をり
雪原に生れし窪みそれぞれに影やわらかく春の陽は差す
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