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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
久我 田鶴子
はじまりは肺胞腫瘍あったかもしれない人生なんて今やろ
合掌のかたちに瓜の双葉出づ肥料袋の行灯のなか
赤子という言葉を思う静けさのなかひたすらに赤を拭った
打たれても鋼になれず仰ぎ見る月は乱麻の鎌ほどに鋭き
赤ん坊をわれに抱かせたがる息子とほいとほい日の自分をみたきか
ペットボトルのラベルを剝いてゐる夜に無名の我をしづかに思ふ
感情を出さざる女と言はれたり片足上げて目をつむりて立つ
少数者つて言ふのに嚙んでしゆうしゆうとそのうち静かになる曹達水
きみが好き きみのこころは好きじゃない うそ こころについてはわからない
いつの間にこんなに増えた 自衛隊を笑って画面に入れるバラエティー
あなふかくおおきくあれど今日明日はうめずにおかむ あなをてらす月
野良猫が顔を洗ふを見てあればふいと素知らぬかほに立ち去る
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