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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
松村 由利子
小学生のふりしてきたといふやうに子はランドセルすとんと落とす
帰つて来たと不意に思うて不思議なり砂を踏みつつ海に近づく
炊き出しの大鍋ぐらぐらぐりとぐらカステラケーキを焼くなら今だ
フェミニズムってこんなことだっけ朝のみの女性専用車両が走る
朝戸出に鞄を重く感じたり「鎧が、けふは」の木曾殿おもふ
ゆふぐれはピアノをさらふ時刻なり子も友の子も弾きにしハノン
繭のような白き時間に頭下げお椀に受ける花びらごはん
わが内に湯浴みしている一粒を何と呼ぼうか春雨の降る
日露戦争の祝勝として植ゑられしソメヰヨシノの花のさわがし
入学式のひかりに満ちた校庭の誰も時空を逃れられない
震災より百日過ぎてようやくにミネラルウォーターのCM流る
つなぐほどさみしいはるのゆびさきをそれでもかさねあって、みずいろ
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