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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
染野 太朗
心いま針のようなりひとすじの糸通さねば慰められぬ
目印に名前のシールではなくてばんそうこうを貼る友がいる
ねむたさとさびしさをよりわけたあとねむたさに寝る 春の新月
おしゃべりは咲いては枯れてまた咲いて矢車菊の蒼い夕暮れ
憧れの山田先輩念写して微笑む春の妹無垢なり
遠慮がちに恋打ち明くるひとのごと木漏れ日は吾子の指へと届く
すれ違うときの鼻歌をぼくはもらう さらに音楽は鳴り続ける
恋ですよ 芋の芋まで掘り起こしありったけポテトフライにしたい
君にしも遠ざかれるかあまりにも近づきたるか夢にうつらず
鳥ならばずっと飛ばずに嘴で何かを伝え合っていたいよ
死にいたる瞬間(とき)までつよくやくされし首さながらに ああ はるがくる
背をのばし歩かうとしてさびしいな袋のやうな身体をはこぶ
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