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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
染野 太朗
カラオケでトイレに行き戻ればそこにあなたが歌うという空間がある
全人類ひれ伏せわたしの背を越して子らが世界を見たがっている
紙飛行機はいちまいの紙に戻るだろう このしずけさが恋であるなら
奥の歯に歯間ブラシを当ててをり真顔といふをつひに持たざる
泣ききれず泣きやみきれず六月の空こきざみに肩をふるはす
鉄棒にぶらさがる子のまなざしの先ひらきたる花水木、白
青葉闇 暗喩のためにふりかえりもう泣きながら咲かなくていい
ほととぎす喧(やかま)しきまで鳴きつのる山の校舎やマル読みの声
すぐにもどるつもりの軽きよそほひに街上を過ぎ野の歩みなり
おのづから井戸のくづるる 黙せよと言はるるまでもなく黙しきて
朝雁よ つがひを群れを得て我はあまたの火事の上を飛びたし
蛍橋けふも渡つて買ひにゆくJAあをばの葉付にんじん
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