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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
生沼 義朗
人見絹枝/スポーツに我身(わがみ)くだけと思(おも)ひしも去年(こぞ)のことなり今(いま)は淋(さび)しも
岡下香/人生も料理の味も旨味を出すほんの少しの匙加減 その匙がない
純多摩良樹/食事後の獄は最も静かなりその寂けさのひとときを堪ふ
中川智正/りんご樹をこの世の隅に今植える あす朝罪で身は滅ぶとも
相原かろ/くっついた餃子と餃子をはがすとき皮が破れるほうの餃子だ
後藤由紀恵/どこへでも行けるからだは雛の日の陽ざしの中を職場へとゆく
謎彦/朕ひとりだめになっても朕たちの木型は朕のことおぼえてる
大村早苗/いつもいつもうつむき加減のアネモネの激しい色と弱さを嫌う
田中ましろ/生きるとは硬貨を抱いていつまでも着かないバスを待つ人のごと
伊藤香世子/頭良くなると信じて食卓の味の素振りし昭和の生まれ
橋場悦子/〈当職〉といふ主語による通知書に封をす切手の裏は舐めない
本川克幸/陸岸のかたちを指でなぞるとき仄あたたかきレーダー画面
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