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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
永井 祐
よる深くふと
握飯
にぎりめし
食ひたくなり
握
にぎり
めし食ひぬ寒がりにつつ
ふらふらと
眩暈
めまひ
おぼえて縁側ゆころげ落ちたり冬照る庭に
人間
にんげん
はみな柔かに歩み居るビルデイング寒く舗道寒くして
月ふたつ越えてなほ病む児が髪は耳をおほひて延びほうけたり
いふことの何とて無けれ相遇へばこころ幼くなりて楽しき
一人では田中正造にはなれず身体にチョコレートを詰めていく
女生徒ら語らひ行くに包帯の小指の一人遅れつつ行く
雪掻きの音が私にかぶさりてくるように聞く朝のふとんに
もしもしと言い合いておりもしもしをじっと聞きおり電波が悪い
汗たれて散兵線に伏す兵を朝飯前の吾は見て居り
春に向ふ夕空なごむ丸の内植木鉢をかひまた飴パンを買ふ
長き廊折れ曲りきてたたずめりわが部屋はしづかな蔵となりゐし
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