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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
永井 祐
ゆきずりの麺麭屋にある夜かいま見し等身のパン焼き竈を怖れき
川魚のむねをひらいてゐるときに夕虹あがる夕虹のうた
もう次の芥川賞が来るらしい 夏の帰宅をくりかえしたら
はやりかぜの熱おちゆきてしづかなる畳のうへにわれはすわりぬ
もの
嫉
ねた
む心おこりもなくて我が歩みゆく道の
泥
どろ
も氷りぬ
よひあさく土よりのぼる土の
香
か
を
嗅
か
ぎつつ心いきどほり
居
を
り
その尻毛編みて垂れたり美しき出走馬をり走る前なる
ひこばえの低く吹かるるひまに見ゆ雀の貌のかくあきらかに
坂をくだれば腿の高さの突き当たりにガードレールが見えている坂
このビルはカラオケになる私なら歌うためのビルそう思って建てる
ゴンドラが緑の谷の上をゆく うれしさと不安の起源はおなじ
泥のしみこんだ軍手を手にもって立っている次に見る夢にも
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