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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
井上 法子
名のうちに猛禽飼へば眠られぬ夜に重み増す羽毛ぶとんは
少し愚なる小僧は今宵も寝言を云ふまぐろまぐろまぐろまぐろ
産めやしない、産めはしないがアメジスト耀け五月なる疾風に
歌数首読みて心の静まれば銀のくさりを引きて灯を消す
ミュシャの描く裸婦が嫌いだ それに似て膨らんでゆく私の胸も
低氣壓はラサ島におこりをりといふわが庭に萩はゆれゐたりけり
春のひかり充ちれば重い荷のように流すよ笹の舟を浮かべて
自動巻き腕時計ってどういう仕組み? 勝ってうれしいサッコ&ヴァンゼッティ
春となる光に空は明るめりいづこより来るこのかなしみは
夢のなかで誰とはぐれしわれならむはぐれたること少しうれしく
激情の匂いするみず掌にためてわたしはすこし海にちかづく
胴吹きの花のあとから枝のびて難しいのは終わり方だな
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