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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
山下 翔
からっぽの車が並ぶ教習所 小さな坂に朝の日は照る
同僚が四年に一度の寝不足でオウンゴールのようなミスする
冬の朝鎖されて舌からめあふくちづけをやめないで、おとうと
くちぶえは背中にぬけてぼくたちにもうふらふらと夏がきたんだ
繫がらぬ母への電話あおぞらを飲み干すように深呼吸せり
よきひとを松浦の里の夕まぐれいづこともなく匂ふ梅が香
地下鉄でドラマチックな話だと窃かに聞けばドラマの話
夕光が送電線をなぞりゆく突き放すなら引き寄せないで
おとうとが春服をドラムバッグから出して夏服詰め込んでゆく
うどん屋の面接受けに行きし友そのうどん屋に顔見あたらず
白い根の水にからまる深夜にはひんやりとしてすてきなまぶた
「めし」とのみ書かれた店に入りゆく石仏めぐりの旅の終わりに
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