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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
山下 翔
夜の廊に遭へる吾妻に「こんばんは」といへばほんとに「こんばんは」の気持してくる
『嗚呼!!花の応援団』だけ並んでた床屋で切られすぎた前髪
てぶくろのはんたいを言へとくりかへす子を抱へあげさかさにつるす
しそジュースかけたかき氷をくづす冷房のない島の波止場で
喉の痛みをうつしてしまい遅い朝あなたのための鮭粥を炊く
「ここにゐて、ここに」と一人を淋しがる母よここからゐなくなるのはあなた
大根で撲殺してやると思ひたち大根買つてきて煮てゐたり
トラックの屋根に積もった雪がいま埼玉県に入って行きます
鼻風邪のままに梅観る暇な奴愛されていい男かおれは
耳をつかみウサギを下げし感覚が春の夕べの手によみがへる
ボールペンが出なくてこれで終はりますと書かれて花山多佳子の手紙
池の面へながくかかりて傾きてことしの花の影を映せる
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