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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
門脇 篤史
台風に避難させし鉢玄関に溢れてふいに花屋の賑わい
飢ゑきれぬ腑のごときもの青竹の空洞といふさびしき宇宙
木でありし記憶の森の雨のなか持ち重りする紙ひと束は
雨に会うそのためだけに作られた傘を広げて君を待ってる
いつせいに風上を向く傘の先雨が歌だと知つてゐるのだ
花束をかかえた君は手を振れずさよならにただうなずいていた
雨垂れの音飲むやうにふたつぶのあぢさゐ色の錠剤を飲む
錠剤を押し出す力の弱ければはるかな岸の鹿を恋うなり
湿り気を空が含んでくる時に言葉は少し曲げやすくなる
石は無欲、だらうかしかし墓石はやけに光つてゐるではないか
バーテンが愚痴をいなして生ハムを刻みに消えし厨明るし
アボカドの芯抉るたびうつとりと浮かぶ原生林の暗がり
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