コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
岩尾 淳子
ゆふぐれの駅を降りれば欅けやき見ゆこんなきれいな帰宅あつたか
青鷺がないて飛びたつ風景もすでに心のなかの一枚
ふるさとは風のすみかとなりにけり人やははらふ庭の荻原
あの雲のすそをつまんで岸辺までぐいと引き寄せられないか、夏
雲のからだに骨はないのに悲しみという感情はつくづく勝手
おおぜいの人に交って立つときも寂しかったよこの交差点
夕日夕日東京衛戍監獄のあかき煉瓦塀ゆけどもつきなく
輪をかけて疎遠になっていくひとの輪っか水面におおきくひらく
野べに来て萩の古枝を折ることはいま来む秋の花のためこそ
容赦なくシンクに溜まる生ゴミはせめて何かのメタファーであれ
人みながねむる眞晝の野原なれ乗りてなき自轉車遠く過ぎたり
紅梅の花にひねもすこもり居てまだあるのかいとたづねつ
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
3
固定ページ
4
固定ページ
5
…
固定ページ
13
次のページ