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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
岩尾 淳子
舌という湿原を越えてやってくるやさしくなりきれない相槌よ
秋が来る 床屋の椅子に重大な秘密があってほしいと思う
黙祷の一分間をさしはさみ茫たる午前午後となりゆく
かくろひし水路さがしていくこころ万葉集はとほき口笛
つかみつつ、探るのだ、その軟便を、或いは便座そのものをさへ
道の辺に清水流るる柳陰しばしとてこそ立ちどまりつれ
玉藻刈る敏馬を過ぎて夏草の野島の﨑に舟近づきぬ
目の前のすべて可愛いものたちよパジャマの柄よいつかさよなら
手をあてれば幹の内より重なる手木の方がずっとながく寂しい
冬と春まじわりあって少しずつ暮らしのなかで捨ててゆく紙
しづかなる梨の畑を青あをと分けて流るる夏井の川は
赤レンガの敷かれたる道その筋目たどれば果てのなきあみだくじ
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