Archive for the '今日の一首鑑賞' category

髙瀬一誌/体(からだ)がこわれたという こわれたあとのつくり方あり

上條素山/さやさやと生存圏を拡げつつ浮かぶや宙に愛のピカチュウ

うにがわえりも/ルマンドの中を覗けばはつなつの海のうねりが目の前にくる

加藤治郎/ねばねばのバンドエイドをはがしたらしわしわのゆび じょうゆうさあん

榛葉純/三次元、峠なゆたはまだいない 父娘(おやこ)ふたりでプリンを食らう

加藤治郎/にぎやかに釜飯の鶏ゑゑゑゑゑゑゑゑゑひどい戦争だった

市原克敏/わがゆびの影をいぶかる蜘蛛といる蜘蛛に流れる時間の外で

小池光/耳の垢ほりて金魚に食はせ居りいつとはなしに五月となりぬ

皇后陛下御歌/今しばし生きなむと思ふ寂光に園(その)の薔薇(さうび)のみな美しく

石川啄木/うつとりと/本の挿絵(さしゑ)に眺(なが)め入り、/煙草(たばこ)の煙(けむり)吹きかけてみる。

本日の花山周子さんの「日々のクオリア」は夜までにはアップするそうです。

中村亜裕美/速報を読みおえしあと掌にすこし遅れてくる震えあり

石川啄木/高山(たかやま)のいただきに登り/なにがなしに帽子(ぼうし)をふりて/下(くだ)り来(き)しかな

黒瀬珂瀾/中澤系の通夜より帰る美南ちやんに布袍の裾を摑ませながら

小池光/はるかなる野辺の送りに野球帽子とりて礼(いや)せり少年われは

中澤系/明日また空豆の殻を剥くだろう同じ力をかけた右手で

柏崎驍二/秋日照る林の岸のみむらさきうつくしければ帽脱ぎて見つ

夜までにはアップします。

安井高志/子供たちみんなが大きなチョコレートケーキにされるサトゥルヌス菓子店

木下利玄/指尖(ゆびさき)の傷の痛みにひゞけつゝ市街(まち)の電車のきしるわびしさ 2

山内頌子/猫トイレのシートがにおう もう替える必要のないシートもにおう

木下利玄/指尖(ゆびさき)の傷の痛みにひゞけつゝ市街(まち)の電車のきしるわびしさ 1

御供平佶/線路ゆく人のつらなりガラスなき前窓に見て警笛鳴らす

木下利玄/遲くつきし湯元の宿のくらき灯にわれ等の食べし黑き羊羹

曽川文昭/夕空を旅客機一機離り行き工学はいま文学を呼ぶ

木下利玄/黑き虻白き八つ手の花に居て何かなせるを臥しつゝ見やる

北川草子/安売りの洋書がパラフィン紙の下で花束みたいな音をたてる

木下利玄/磯町の床屋によりて髭剃れば鏡にうつり霰ふるなり

仙波龍英/夕照はしづかに展くこの谷のPARCO三基を墓碑となすまで

木下利玄/我が顔に靑き光を受けながら藪かげ草の肌身をのぞく

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