Archive for the '今日の一首鑑賞' category

側溝を流れゆく水着脹(きぶく)れて家鴨(あひる)のような私を映す

新しい人になりたい 空調の音が非常に落ち着いている

月へするおびただしき數のアクセスとその切斷のお月見のよる

草臥れて立ち上がれない夜もある会社近くのドトールの隅

ドーナツに埋めようがない穴がありこんな時間に歯を磨いてる

ドーナツに埋めようがない穴がありこんな時間に歯を磨いてる

泣き濡れているのはわたし高いビル全部沈めて立つのはわたし

ほぐれない雲を保ってほほえみの兆しを見せるからほほえんだ

木香薔薇の配線は入り組みながらすべての花を灯してゐたり

斜めがけのカバンに入れた炭酸が尻ポケットのおさいふで弾む

ひらくもののきれいなまひる 門、手紙、脚などへまた白い手が来る

首すこしのびた気がする光降る秋をむかえに公園に行く

見ゆるもの見ゆるまま描け目から手はぢれったく月のごとく遠かり

プラスチックストロー廃止のニュースありスタバが世界を牽きゆくように

水族館(アカリウム)にタカアシガニを見てゐしはいつか誰かの子を生む器(うつは)

蜥蜴の尾あをくきらめくきざしくる生への意志は信じがたくも

いっこうにかまわない土地をとられてもその土地に虫がねむっていても

白梅の輪郭だけを光らせて夜の微雨去れり 悪の限りを

ふくふくと小さくなりゆくベビーバスわたしのことは忘れてもいい

酒とジュースのハーフはつねに酒なれど遺伝子はわれと子を分かちたり

もう少し前に進まうとりあへず西友に行き砥石を買つた

枇杷の葉は日差しに透けず測量の人たちが集まって笑った

イエスは三十四にて果てにき乾葡萄噛みつつ苦くおもふその年齒(とし)

短足を櫂として漕ぐ水中の河馬の軽さよ尻尾も短い

マルボロをふかせる君に肺といふ逆さの桜いま咲きほこる

わたくしを生きているのは誰だろう日々わずかずつ遅れる時計

またひとつピアスの穴をやがて聞くミック・ジャガーの訃報のために

洗濯機回る音すらうたた寝に母在りし日の音とし聞こゆ

ママのバラの服のうしろにへびがいた/最近ゆめみのわるいここは

歩数ゼロの携帯にメール、またメールわたしは今日はじつとしてます

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