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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
生沼 義朗
住谷眞/あまたなる死刑と雨の影のこし平成最後の夏は終はりぬ
山中律雄/父の死を忘れて父を問ふ母にその死告ぐればいたく悲しむ
福島泰樹/前衛は精神なればあえかなる歌の翼を濡らすともよし
村上一郎/わかくさの妻らを送り家を出て冬浅(あさ)き日に死にゆきにけり
青柳守音/降りたった蟹よりあかいヨコハマはかすかに焚火のけむりが匂う
加賀要子/スクリーンを外し観客席を運び去りし劇場空間を人らと清む
穂積昇/岡持につきては消ゆる雪を見て春の気配の近づくを知る
吉田優子/カラメルをとろり煮る午後猫が鳴く昨日はどこにもありませんよう
山川藍/履歴書の写真がどう見ても菩薩いちど手を合わせて封筒へ
齋藤史/携帯電話持たず終らむ死んでからまで便利に呼び出されてたまるか
熊谷純/ほの香るアルコールにて手を浄めストアスタンプの日付を変へる
笹本碧/下り坂下から見れば上り坂インテグラルのかたちをえがく
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