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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
永井 祐
ついと
出
で
し切符をつまみ抜きしのみに自動改札すでにとほりぬ
新年の一枚きりの天と地を綴じるおおきなホチキスがある
曲線の
屋蓋
をくがい
をもつ競技場ちかづきてまのあたり低き豊かさ
エスカレーターのなまあたたかき手摺にもおもひまうけず心のうごく
電球が切れてはずした何日か前 ここでひねりながら伸びながら
橋の上に一尾落ちたる飛魚がふるへるほど美しきフィレンツェ
放心してわが
佇
た
ちつくす冬野
路
じ
に目的不明の杭一つたてり
松山駅降りて一丁北へ歩き煙草屋より三軒目が僕の家です
夜泣きする妹の子を覗き込むおおきい蜘蛛かもしれない私
いまベイブをえらんで借りてゆく人の凜々しかったな 真似して歩く
湯に浸かるように地面に胴体をあずけて留まる鳩 早朝
秋日さすまばら小松の丘越しに磯あらふ浪のひねもす聞ゆ
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