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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
山下 翔
赤霧呑む妻と黒霧干すわれと世ごとひとごと語りやまずも
夜の十時をまわってもにぎやかなモスバーガーでひと息をつく
木犀が匂ひますねといひたれば思ひ出があるのですねといたはられたり
朝昼兼食の乳酪切りつつ詩作とは醱酵黄金の時間待つわざ
遅れつつ歩けば夫は駆け戻りからだに力入れてるかときく
スパゲッティミートソースを選びたり平凡は時に新鮮である
あまたなる手のひらの熱まだあらんあん馬へしろく月の差すころ
眼閉じればルクセンブルク雪しまく空港のタラップ共に降りし夜
彼らは夏を逝きたり若き日の写真の顔をこの世に遺し
夏青葉しげる木下をゆくときに傘打つあめの音とほざかる
紅葉葉の過ぎにし友よ 酒飲んで君の時間を仲間となぞる
冷蔵庫の麦茶を出してからからと砂糖溶かしていた夏の朝
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