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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
土井礼一郎
空き缶を踏みつぶす音 この親にこの子と決めた神のゆびさき
割れ落ちたフロントガラスの隙間から流れ出てゆくほそながき猫
窓外にポップコーンのやうな雪降ると誌せりNさんの葉書
駆け引きの上手な海を見ならえばラブホから出てくる人の距離感
鳩の胸まろきをみれば鳩たちは一つの鋳型より造られる
卵もて食卓を打つ朝の音ひそやかに我はわがいのち継ぐ
市役所の回転扉を出ていくとどてら姿の米兵がいた
「凍てる」とはただ一点が痛むこと 「冬」は鼻腔の奥で決めます
すべてを選択します別名で保存します膝で立ってKの頭を抱えました
いきもののぬくみわが身にうつりしがまた冷めゆけりまぼろしのごと
握り締めたる指ひとつづつ解くやうに失くしたしこゑも名前も影も
閉ざしたる窓、閉ざしたるまぶたよりなみだ零れつ手品のごとく
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